【イベントレポート】 パラレルキャリアの二人が語る教育の未来 失敗OKな環境とは?世界と日本の違いを知る 庄子寛之×竹内明日香2023.2.6
2023年2月1日(水)
東京都公立小学校指導教諭 庄子寛之先生と弊社団代表竹内とのオンライン対談イベントを行いました。
こちらは2月15日に行われる弊社団主催のシンポジウムに先駆けてプレイベントとして開催いたしました。
テーマは
「パラレルキャリアの二人が語る教育の未来~失敗OKな環境とは?世界と日本の違いを知る~」
です。
庄子先生は元女子ラクロス日本代表監督という経歴を持ち、スポーツを通して世界を見てきた経験をお持ちでいらっしゃいます。
一方の竹内も、興銀時代から海外と接点を持ち、ビジネスの最前線で世界を目の当たりにしてきた一人です。そして両者とも、現在は学校教育に携わり、日本の教育や子どもたちの未来について真剣に考え活動をしているという共通点があります。この2人が今、日本の教育の現在と未来に対してどんな想いと志を持っているのか。当日はこの2人の興味深い対談を聞くために、100名以上の方々がこのイベントにお申込みくださいました。
対談で話題になったのは「これからの社会を生き抜くために日本人に必要な力」について。
庄子先生も竹内も、それぞれの経験から世界の変化に日本人がついていけていないという危機感を持っており、日本を教育から抜本的に変えていくべきだという話に、参加者からも大きな共感がありました。
また、学校教育において最後まで相手の話を聞くように指導されてきている日本人が多い中、海外では最後まで話を聞くことよりも、自分の意見を主張することを優先する文化があるという指摘も。
このような「話す」ことに重点が置かれない教育が、国際社会における日本人の交渉力の弱さに繋がってしまっているのではないかという意見が挙げられました。
これからの社会は少子高齢化が進み、ますます日本人の交渉力や世界に出ていく力が求められる時代になります。日本人の「話す力」を十分に育てるためにも、個性を尊重し失敗を恐れない環境を子どものうちから与えることの重要性を再認識しました。
では、今後どのように教育を改革していくべきなのか。
「既存の教育の型にあてはめようとせず、より柔軟に教育現場を変えていく姿勢」
が教育者に必要であると2人は語ります。
・一人一台タブレットが配備された教育環境が整っている今、黒板を使っての授業は本当に必要なのか?
・30人学級は今後も機能するのか?
・学校の組織体制は最善なのか?
これらの今までの「あたりまえ」を疑う姿勢、社会の変化に柔軟に対応しようとする姿勢が今問われています。
子どもたちに変化の激しい社会を生き抜いていくための「生きる力」を携えたいのであれば、まずは教育者である我々大人が大きな変革に躊躇せず挑戦していくことなのではないか。
私も、お二人の話を聞くにつれ、このような想いを心に抱きました。
竹内が「四層構造」と表現するような教育現場のトップダウン式の意思決定の仕方に囚われていては、スピード感を持って教育を改革していくことは困難です。庄子先生や竹内のように志をもち、子どもの力と教育の可能性を信じて自らの足で新しい世界を切り拓いていく、そんな姿勢を一人でも多くの大人が持つべきだと感じました。二人の対談は参加者にとって、子どもたちの未来のために大人の背中を強く突き動かす行動の原動力になりました。
筆:公教育部 正木早紀