文京区長、同友会終身幹事と竹内が鼎談!2019.9.9
「正しさよりも『好き』を大事にする社会をどうつくるか」について文京区長と同友会終身幹事と鼎談しました
去る8月30日のこと、渋谷のBOOK LAB TOKYOにて、「正しさよりも『好き』を大事にする社会をどうつくるか」と題して、文京区長成澤氏、経済同友会終身幹事横尾氏とアルバ・エデュ代表理事の竹内が鼎談をさせていただきました。
イベント開催にあたり、経済産業省の人材政策室長の能村さまからもこのようなエール文を公式にいただきました
「日本社会は、グローバル競争の激化、デジタル化の進展、少子高齢
この「変革の時代」では、個人が自らの問題意識を持ち、学び、働
今回のテーマである「正しさよりも好きを大事にする」はまさに、
経済産業省 産業人材政策室長 能村幸輝」
学校の教室で何が起きているのか?プレゼン授業に赴く中で感じたこと
冒頭、竹内の方からアルバ・エデュの活動の沿革や内容をご紹介した上で、学校にプレゼンテーション授業を提供する中で、だんだん学年が上がるにつれて正解を探るような生徒が増えるという現状についてお話しました。その状況を打開するためにも、自分の「好き」を表明することが大事だということに気付き、授業の中で取り入れるようにしていったこと。そして「社会を知る」という時間を設けて、自分の立ち位置を知った上で、自分が何者かを問い、個人の「好き」を深掘りする時間を設けていることなどをお話させていただきました。
その後、横尾氏と成澤氏から、活動へのメッセージをいただいた後、英治出版オンライン連載編集者の上村さんのリードで、「好き」が表明できるようになるとどのような効用があるのか。そんな社会を実現するためには、というような質問が投げかけられ、フリーディスカッションとなりました。
文京区でプレゼン教育が取り入れられるようになったきっかけ
成澤氏: 「初等教育の小学校教育でどんなことをやるのか」という点が出発点。今までは「出口は保証されている」と言われてきた文京区の教育は保護者に支えられてきた。そのなかでの新しい提案として「プレゼンテーションの教育を」というのがあがってきた。そこですでに実践していたアルバ・エデュとの歩みが始まった。文京区の学校でプレゼン授業を導入して、子どもたちのその力を付けてもらっている。この2年ずっと続いている。文京区は学力テストをやっても数字がいい。でも知識の結果だけではだめ。
「好き」というのは、LikeもLoveも常に一人称。一人称で語ることが大事だと常々思っている。区民から「私は」こう思うんだけどという提案を受けると、「自分の知らない何かを教えてくれるんだ」と思って聞く耳を持とうと思う。
大人が子どもに見せる背中として「こういう生き方ってあるんだよ」をつくっていけば、大人も変わらざるを得なくなる。好きがないとライフシフトは90まで持たない。必要に迫られるといい転換が始まる。
正解は暗記型、好きなことを考えるのは思考型
横尾氏: 正しさと好きは対極にあると思う。正しさの意味合いは、暗記型につながる発想。正しいということは答えがあり、それを探そうとするので思考停止になってしまう。好きだって言うことは主体性。自分の好きなことを考える思考型。
正しいという教育は、戦後敗戦から日本が軌跡の成長を遂げるときには非常に効率的だった。右肩上がりで、過去に学習したことが未来に通じる部分があった。ところがバブル崩壊以降日本が低迷したのは、先の見えない世界では暗記型では無理で考えなければいけない。
仕事も「好き」という人に任せた方がうまくいく
横尾氏:人を人として見る、何が得意なのか、そういう集合体がビジネスを活性化する。仕事がくると「やりたい人いる?」と手を挙げさせて、どの人に預けると良い仕事ができる。主体性と責任感があるから。だから好きなことは大事。
さらに、横尾氏からは病弱だったために「好き」を尊重するようになったという生い立ち秘話までが明かされました。
成澤氏からは、学歴のような正解ありきではなく、実力主義で区の担当者を抜擢してきたというお話など、「好き>正解」にまつわる数々のお話が披露されました。
この日は、学校の校長先生、幼稚園・子ども園の園長先生方、企業の経営者の方々など、そうそうたる聴衆にお集まりいただき光栄でした。主催者の英治出版さま、ご参加くださいました皆様に御礼申し上げます。